2024年問題において、ドライバーが拘束時間を「274時間以内」に制限されることが明らかになりました。この変更により、懸念されている一つ目の問題は「物流の停滞」です。特に、最近ではECサイトの拡大に伴い物流量が増加しています。この状況に加え、業界全体で人手不足が深刻化している中、物流が滞る可能性が高まっていると言われています。厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等に関する実態調査結果(概要)」によれば、トラックドライバーの1か月の拘束時間は、トラックドライバーのうち約3割が1か月の拘束時間が275時間以上であることが浮き彫りになっています。言い換えれば、これまでの働き方を継続する場合、法定の274時間以内を目指すことが困難であり、その結果、物流の3割以上が輸送できなくなる可能性が指摘されています。
二つ目の問題は「物流・運送業界における売上と利益の減少」です。ドライバーの労働時間が短縮されると、1日の運搬量が減少し、これが売上や利益に直結します。さらに、2023年4月からは、中小企業においても「月60時間の残業代の割増賃金引上げ」が実施されます。この割増賃金の引き上げにより、人件費が増加する可能性も考えられます。
三つ目の問題は、「ドライバーの収入減少」です。物流・運送業界で働くドライバーの中には、時間外手当を受け取るケースもあります。しかし、時間外労働に上限が設けられることで、これまで受け取れていた時間外手当も減少する可能性があります。これに伴い、収入そのものが減少するドライバーが発生するかもしれません。