2022年9月、昨年度の国内17社の無人搬送車システムの納入実績が、一般財団法人 日本産業車両協会から公表されました。海外主要メーカーのデータは含まれておりませんので、実際には公表数値をはるかに上回るAGVSが国内に導入されたものとみられます。
本項ではAGVSの納入実績と、業種別の納入状況を解説します。
システムの納入件数と納入台数
生産台数減による海外向けの輸出減、国内向けは微減の傾向。
2021年度の国内向け、輸出向けを合わせた無人搬送車システムの納入は784件(前年度比87.7%)、無人搬送車の納入は2,613台(前年度比90.5%)で、どちらも二年連続で減少しました。
特に納入台数は、国内向けは微減にとどまりましたが、海外への輸出は大きく減少しました。
長期化するコロナ禍と、半導体不足によりLiDARの他にも、モーター、バッテリー、コネクターなどの不足も目立ち、2023年夏頃までは製品の出荷が制限されるものとみられています。
また、1システムあたりの納入台数は国内3.1台、海外向けは4.8台で、この傾向は恒常的なものとなっています。
AGVSの業種別納入状況
製造業の中でも自動車関連向けがもっとも多く全体の約4割を占める。
AGVS納入件数の業種別割合は、「自動車・同付属品製造業」向けが 44.3%と最も多く、「一般機械器具製造業」向けが10.3%、「弱電機械器具製造業」9.6%、「食料品製造業」が 5.2%、「化学・医薬品製造業」4.1%と、全体の7割が製造業でした。非製造業では「運輸・倉庫業」向けが過去最高の4.2%%)、「卸・小売業」向けも同じく2.6%と構成比を上げました。
別項で車両タイプ別の導入状況を解説しています。併せてご覧ください。
自動搬送車システム「agvs」の導入状況(2)