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昨今、国内の流通業界ではコストの削減、配送効率の向上、在庫管理の効率化などを目的に、物流拠点の集約・統合化が進んでいるといわれています。
また、EC市場の拡大による取り扱い物量の急増などにより、物流倉庫が大規模化されていく傾向にあります。

国内最大級の GLP ALFALINK 相模原
総延べ床面積約67万㎡ 国内最大級の GLP ALFALINK 相模原 :日本GLPホームページより

巨大ECビジネスを支える物流倉庫の自動化

コロナ渦でオンラインショップの利用が拡大し、年間の売上額が20兆円を超えるEC市場(2022年 経産省)。国内最大手、アマゾン・ジャパンのフルフィルメントセンター(FC)の多くは自動化された物流システムで運用されています。

自動搬送ロボットが稼働
1800台の自動搬送ロボットが稼働するアマゾン尼崎FC:amazon.co.jpより

アマゾン フルフィルメントセンターではグループ会社のアマゾン・ロボティクス社が開発した、ドライブと呼ばれる自動搬送ロボット 「Kiva (キバ)」 を中核としたAmazon Robotics (AR) システムが稼働しています。

ピッキングスタッフへ移動
ピッキングスタッフの元へ商品棚を持ち上げて移動するKivaのドライブ

Amazon Robotics の運用

入荷プロセス

1)商品がフルフィルメントセンターに届く。
2)スタッフによる検品・受領作業。
3)ARシステムが収納に適した商品棚をセレクト。ドライブがスタッフの元へ棚を運搬。
4)スタッフはARシステムからの指示により、棚内の適した位置に商品を収納。
5)スタッフは入荷情報を端末に入力。ドライブは商品棚を収納エリアへ運搬。

出荷(ピッキング)プロセス

1)顧客からの注文によりピッキングリストが届く。
2)ARシステムがドライブに注文商品の保管された棚をスタッフの元へ運ぶように命令。
3)スタッフはドライブが運んできた棚から商品をピッキング。出荷情報を端末に入力。
4)ドライブはピッキングが終わった棚を収納エリアへ戻す。
5)注文商品が複数ある場合は上記を繰り返し、個装箱に注文商品を詰めていく。
6)カゴにに積まれた個装箱をドライブが梱包担当スタッフの元へ運搬。


このように、アマゾンの「Amazon Robotics」、業務用建築資材通販のモノタロウは日立製作所の「Racrew」、家具・インテリアを扱うニトリグループはGROUND社の「Butler」など、現在の巨大倉庫は物流自動化システムによって運用されています。

そして、実際に稼働する自動搬送車や自律走行ロボットの低廉化、今後ますます事業者に求められる労働生産性の向上などの理由により、これらの自動化システムはさらに物流の現場に導入が進んでいくものとみられます。